コインランドリーとクリーニングの違い
皆さんは、ご自宅のお洗濯でどんなものを洗っていますか?
天然繊維でできたニット、大きな布団、高級ブランドのお洋服…
おうちで洗えないものって、案外たくさんありますよね。
おうちで洗えないものを洗ってくれるサービスといえば、クリーニング屋さんが思い浮かぶ方も多いでしょう。
近年では、コインランドリーでも様々なものが洗えるようになってきました。
今回は、コインランドリーとクリーニング店それぞれの特徴を知り、場面に応じて両者を活用できるよう、その違いを見ていきましょう。
目次
- ○ コインランドリーとクリーニングの違い① 洗い方
- ・コインランドリーは水洗い
- ・クリーニング特有の「ドライクリーニング」
- ○ コインランドリーとクリーニングの違い② 乾燥の仕方
- ・コインランドリーは一気に乾かす
- ・クリーニングならじっくり
- ○ コインランドリーとクリーニングの違い③ 仕上がりまでの時間
- ○ コインランドリーとクリーニングの違い④ 料金
- ○ 洗濯物によって使い分けよう
コインランドリーとクリーニングの違い① 洗い方
まずは、洗濯の基本となり、仕上がりにも大きな影響を与える「洗い方」の違いについて見ていきましょう。
コインランドリーは水洗い
コインランドリーでは、60℃前後のお湯を使って洗濯をします。
水洗いをすることで、汗・血液・コーヒーなど水溶性の汚れを落とすことができます。
ご家庭での洗濯と同じような印象があるかもしれませんが、「お湯」を使用しているため、常温の水で洗う家庭用洗濯機よりは洗浄能力が強いです。
お湯でも落としきれない油汚れは、洗剤で落とします。
洗剤に含まれている界面活性剤や再付着防止剤の力を使って、水では落とせない汚れを落とすのです。
店舗によっては、投入する洗剤を選べたり、コースごとに違う洗剤がセットされていたりするところもあります。
布団洗いに特化した洗剤や、敏感肌の方や赤ちゃんにも優しい成分でできた防カビ洗剤など、その種類は多岐にわたります。
こだわりのある方は、そのコインランドリーがどのような洗剤を使用しているか調べてみてもよいでしょう。
コインランドリーでは、ご家庭での洗濯と同じように柔軟剤も投入されています。
洗いあがりは柔らかく良い香りもつきますよ。
自分好みの香りにしたいという方でも、洗剤自動投入機能搭載の洗濯乾燥機へ洗剤や柔軟剤を追加するのはやめましょう。
泡が立ちすぎて洗濯機が止まってしまう、フィルター詰まりが起きて機械の故障につながる場合もあります。
また、香りづけビーズを乾燥機に入れてしまうと溶け切りません。乾燥中の異音はもちろん、こちらもフィルター詰まりの原因になり危険です。
どうしてもお気に入りの香りをつけたいという方は、ソフターシートを使いましょう。コインランドリー内で販売されている店舗が多いです。
お気に入りのブランドがある方は、通販で買えるソフターシートがありますので、そちらを持ち込みましょう。
ソフターシートなら、トラブルを起こさずに香りづけと静電気・しわ防止ができますよ。
当コインランドリーの洗剤は、黒ずみ防止剤配合。蛍光剤・漂白剤は無配合です。
クリーニング特有の「ドライクリーニング」
クリーニング店には、大きく分けると水で洗うウェットクリーニング、有機溶剤で洗うドライクリーニングの2種類の洗い方があります。
ワイシャツ等、水溶性の汗汚れが付いたものはウェットクリーニング。
ウールやシルク、カシミヤでできた傷みやすい洋服にはドライクリーニングが適しています。
クリーニング店のウェットクリーニングは、丁寧に水洗いをしてもらえるため、毎日着て汗汚れのたまったスーツも型崩れすることなく仕上がります。
ドライクリーニングでは、水ではなく有機溶剤を使って洗濯をします。
有機溶剤とは、何かを溶かす効果のある薬剤を意味します。その成分は石油系か塩素系の2種類。
油分が主成分の有機溶剤は、皮脂・油分の多い食べこぼしなど脂溶性の汚れを落とすことができます。
また、繊維への負担が少ないため、デリケートなお洋服や天然繊維でできた製品を優しく洗いあげます。
一方、有機溶剤では水溶性の汚れを落とすことができません。
そのため、少量の水や水溶性の汚れを落とす洗剤を混ぜてることで、汗なども洗い流せるようにしています。
ドライクリーニングだけでは、どうしても水溶性の汚れを落としきることはできないため、汚れが蓄積してくると黄ばみが発生してしまうことも。
有機溶剤はその成分に危険性があります。
まれに、成分が繊維内にとどまり、敏感肌の方や子供にアレルギー反応が起こる場合もあります。
クリーニングから戻ってきた衣服はすぐにカバーを外し、しばらく干してから着るようにしましょう。
コインランドリーとクリーニングの違い② 乾燥の仕方
デリケートな物も洗えるクリーニング店では、乾燥の仕方にも様々な種類があります。
コインランドリーは一気に乾かす
コインランドリーの乾燥機では、低温モードなら60℃、通常なら80℃前後の温風を当てて洗濯物を乾かします。
さらに乾燥機を回転させ、洗濯物にまんべんなく温風を当てることでふんわりと仕上げます。
カビは75℃で死滅するといわれています。
つまり、しっかりと高温の風で乾燥させるコインランドリーの乾燥機は、ダニ対策にも有効なんです。
防ダニ効果がありふわふわに仕上がるコインランドリーの乾燥機ですが、
摩擦が大きくなるため、こすれに弱い生地は傷みの原因になったり、毛玉が発生しやすくなったりします。
熱に弱い生地は、縮んでしまう恐れもあります。
また、洗濯はコインランドリー対応でも、乾燥機には対応していない製品もあります。
コインランドリーに持ち込む前に、一度洗濯表示を確認しましょう。
クリーニングならじっくり
クリーニング店の形態や洗うものによって乾燥の仕方は様々です。
チェーン店ではたくさんの洗濯物を乾かす必要があるため、コインランドリーの乾燥機と似たような方法で乾かすこともあります。
洗濯表示で手洗いのみが可能となっているニットや高級ブランドの洋服を個人のクリーニング店で丁寧に洗ってもらう場合には、自然乾燥の場合も。
乾燥後、エアーやスチームで整形し、仕上げます。
チェーン店の場合は、早く仕上がるメリットもありますが、想定外の仕上がりになることも…。
大切なお洋服を洗濯する場合には、クリーニング店の中でも個人店がオススメです。
洗濯に関する相談に乗ってくれ、洗濯物の状態を見て洗い方を決めてくれます。
時間やお金に余裕があるなら、丁寧な対応してくれるお店のほうが失敗がなくなります。
コインランドリーとクリーニングの違い③ 仕上がりまでの時間
コインランドリーなら何を洗っても1時間前後で終わります。
布団の入れ替えもその日のうちにできてしまいます。
気温が上がったり下がったり、天気の変わりやすい秋口でも安心です。
クリーニングは、物によって仕上がりまでの日数も変わります。
ワイシャツなら1~2日、スーツは3~5日、コート類は1週間以上かかる場合もあります。
また、布団クリーニングは布団の状態によってその日中に作業が完了することもあれば、10日ほどかかることもあります。
4月・10月の繁忙期には、受け取りまで1か月待ちなんてことも。
公式サイト等で受け取り目安時期を公開している店舗もあるため、確認してから持ち込むのがオススメです。
コインランドリーとクリーニングの違い④ 料金
コインランドリーの料金は、使用する洗濯機のサイズやコースによって決まります。
普段着のまとめ洗いに使える小さいサイズの洗濯乾燥機で1000円ほど、羽毛布団が2枚洗える大型の洗濯乾燥機でも1500円前後が相場です。
クリーニング店は、店舗によって料金体系が異なります。
ワイシャツ300円、スーツ1500円、コート3000円と料金が細分化されている店舗もあれば、1点○○円というように一律の価格に設定されている店舗もあります。
大量の洗濯物を一度に洗いたい場合はコインランドリーのほうが安く済むでしょうし、特定の衣類を丁寧に洗ってもらう場合には、クリーニングでもそれほど高くはつかないでしょう。
ただし、衣類ではなく布団で比較した場合、料金の差は大きくなります。
先ほどの通り、コインランドリーは大きな洗濯槽でも1500円前後で1回分の洗濯ができます。
乾燥時間を追加したとしても100~300円増える程度です。
一方クリーニング店では、布団1枚5000円前後が相場です。
宅配サービスや1年以内の保管サービスなども含まれているお店では、布団1枚当たりの料金が1万円を超えることも。
洗濯表示だけでなく、ご自宅の布団の保管場所、料金も考慮してコインランドリーかクリーニング店かを決めると良いでしょう。
洗濯物によって使い分けよう
汗など水溶性の汚れが気になるものを急いで洗いたいときはコインランドリー。
生地を傷めず大切に丁寧に洗いたいときはクリーニング店。
用途に合わせて最適なお店選びをすることが重要です。
最近は手軽に「洗える」ことを特徴とした製品があらゆる分野で発売されています。
洗えるダウン、洗える毛布、洗える敷布団…。
使い心地はもちろん、毎日使うものほど管理がしやすい点を考慮して購入すのも良いでしょう。
定期的に適切なお洗濯をして、衣類や布団を長持ちさせましょう。