BLOGブログ

スタッフブログ

今さら聞けない!?天然繊維の種類と管理方法

 

高級素材である天然繊維は、それぞれに優れた機能があります。
ただ、お洗濯を含めた管理の仕方が難しいもの。
今回は、天然繊維の種類と特徴、洗い方について解説します。

目次

天然繊維の種類と特徴

天然繊維には、植物繊維と動物繊維があります。
今回は、代表的な天然繊維4つに絞ってご紹介します。


綿

綿花から繊維を抽出し紡績した繊維。植物繊維の代表とも言えるほど流通が多く、現在でも多くの衣料品に用いられています。

吸湿性と心地よい肌触りが特徴です。さらに、耐水性も高いことから、お洗濯がしやすいというメリットもあります。
これらの特徴から、古くから肌着や子供服に多用されています。
吸湿性が高く汗を吸ってくれるため、肌が敏感な人にも好まれる素材です。
綿花のイメージの通りふかふかしているため、敷布団にも使われていました。

耐水性はありますが、水を吸うことで繊維が縮んでしまい、急激に乾かすとしわになりやすいのがお洗濯における難点です。
摩擦による毛羽立ち、光による黄変の起こりやすさも管理が難しいポイントになります。

蚕がさなぎになるときに吐き出した糸が原料です。タンパク質でできている動物繊維です。
繭をほどいて1本の繊維状にしてから製糸します。絹は繊維1本の長さが約1200mあり、天然繊維の中では唯一の長繊維です。
長繊維であることから、毛羽立ちにくく滑らかな質感になります。実は、絹の断面は三角形です。三角形の繊維をより合わせた糸で生地を織るため、独特な光沢感が出ます。さらに繊維が細いことから絹でできた生地は柔らかく、ドレープができることも特徴です。
見た目の良さだけではありません。吸湿性に富んでいて肌ざわりも良いため、お肌や髪の毛に優しい素材としても知られています。

着物を含めた高級ファッションに多用されています。
最近では、下着や寝間着、ナイトキャップなどの直接肌に触れる衣料品としても人気が高まっています。

優れたポイントが多いですが、水・光・熱・化学物質に弱いデリケートな素材であり、管理における難点も多いです。
主成分であるタンパク質が餌になるため、虫も付きやすいです。

羊毛(ウール)

その名の通り羊から刈り取られた毛です。
保温性にすぐれた、ニットやセーターでおなじみの素材です。
繊維が太く固い上、縮れがあるため肌に直接触れると痒く感じることも多いですね。
他にも動物から刈り取られる繊維にはカシミヤ、キャメル、アンゴラなど色々な種類がありますが、ウールは生産量の多さから単独の名称で呼ばれています。

実は、暖かいだけでなく熱に強い特徴があります。例え火が燃え移っても、燃え上がることはなく焦げ付く程度で済んでしまいます。
もともと縮れた毛質であり癖がつきにくいことから、しわになりにくいです。

デメリットは水に弱い点。水に濡れると縮んでしまいます。さらに、毛玉もできやすいです。
強アルカリにも弱いため、一般的な洗濯洗剤では生地を傷めてしまう場合があります。
主成分がタンパク質であることから、絹と同様に虫がつきやすいのが難点です。

羽毛

水鳥から採取された素材です。鳥の種類以外にも、毛の種類によって用途や価値が異なります。
空気をよく含み暖かいという特徴から、ダウンジャケットや羽毛布団の中綿によく使われています。

水鳥の羽であるため、水に強い素材です。
中綿として使用される際、周りの生地が化学繊維製であるため、光や熱、化学物質の影響を受けにくく洗濯がしやすい特徴があります。

天然繊維の管理方法

天然繊維には、洗い方が難しく保管も丁寧にしていなければいけないものがいくつかあります。
天然繊維は貴重である分、高価な製品も多いです。
せっかく優れた素材のものを品質を保ったまま長く使うためにも、それぞれに合った管理方法を見てみましょう。

綿

水洗いがおすすめです。水に強い性質であることはもちろん、水溶性の汚れがたまる肌着に多用されているからです。
ただし、こすりすぎには注意が必要です。比較的短い繊維同士をより合わせて糸に加工する綿は、毛羽立ちが起こりやすいため、ゴシゴシ洗うことで生地の風合いを損ねてしまいます。

綿は黄変が起きやすい繊維です。黄変とは、光にさらされることで黄色く変色してしまう現象のことです。
乾かす際は、黄変と縮みを避けるために日陰干しがおすすめです。

保管をするときはしっかりとたんすやクローゼットにしまいましょう。日光だけでなく蛍光灯も黄変の原因になってしまうからです。
しかし、暗く密閉された場所に保管すると、今度はカビが生えやすくなってしまいます。除湿剤を使用する・1週間に1度クローゼット内を換気する、といったカビ対策も行いましょう。
ちなみに、織物の場合はしわができやすいため、ハンガーにかけて保管するのがおすすめです。

シルクは特にデリケートな繊維です。
無理に自宅やコインランドリーで洗おうとせず、クリーニング店に持ち込むのがおすすめです。
とはいえ、パジャマや下着、ナイトキャップのような毎日使うものをクリーニング店で洗うのは費用がかさんでしまいますよね。
洗濯表示に「手洗い」か「洗濯機」で洗えるマークがある場合は、ご自宅での手洗いもおすすめです。

【手洗いの方法】
①絹製品を洗濯ネットに入れたまま、おしゃれ着用洗剤を薄めた水の中で優しく振り洗いをしましょう。
②ぎゅ~っと絞らず、タオルに挟んで押すように脱水しましょう。
③浴室などの日の当たらない場所で平干ししましょう。型崩れと黄変を防ぐことができます。平干し用のネットがあると便利です。
※乾燥機の使用はNG。タンパク質が熱で変化して肌触りが悪くなってしまいます。

絹は非常に虫がつきやすい繊維です。
保管する際は除湿剤だけでなく防虫剤も使用しましょう。
このとき、毎回同じ防虫剤を使ってくださいね。防虫剤は成分の異なるものを併用してしまうと、組み合わせによっては有害物質の発生する恐れがあります。

畳むとしわになってしまうため、ハンガーにかけて保管しましょう。
また、クリーニングから戻ってきた衣類を保管する際は、ビニールのカバーは外しましょう。
カバーを付けたままにしていると、稀に有機物質のアレルギー反応が起こります。カバーを外すことで、クリーニングに使った有機溶剤や洗剤の残留物質を揮発させることができます。湿気もこもりにくくなり、カビ対策にもなりますよ。

羊毛(ウール)

ウールも絹と同様、水とアルカリに弱い性質があります。
洗濯表示を確認して、クリーニングかご自宅での洗濯がおすすめです。
ウールの場合、洗濯表示に洗濯機のマークがあればご自宅の洗濯機でも洗えます。
洗濯ネット・おしゃれ着,ニット用洗剤・洗濯機の手洗いモードを活用してできるだけ優しく洗いましょう。
水を吸って重くなったニットは、ハンガーにはかけずに直接物干竿にかけて干しましょう。肩の部分の型崩れや襟の伸びを防ぐことができます。

ウールも虫に食われやすい特徴があります。
しわにはなりにくいため畳んでタンスにしまい、防虫剤と除湿剤を一緒に入れて保管するのがおすすめです。

羽毛

羽毛は天然繊維の中で唯一洗濯に強い素材です。
しかし、ダウンジャケットや羽毛布団といったかさばる製品が多いため、ご自宅の洗濯機で洗うのが難しいことも多いですよね。

ダウンジャケットや羽毛布団はコインランドリーでの洗濯がおすすめです。
コインランドリーで洗濯することで清潔にふんわりと仕上げることができます。水洗いで汗汚れを落とし、高温の乾燥機でカビを死滅させることができます。

クリーニングより安く早く仕上げられるコインランドリーですが、持ち込む前に確認しておきたいことが3つあります。
1つ目は洗濯表示です。装飾やほかの素材によっては洗濯機での洗濯不可の場合があります。乾燥も同様です。
2つ目はキルティング加工がされているかどうかです。キルティング加工がされていないと、中の羽毛が固まったまま乾燥まで終了してしまい、保温性や使い心地を損なう可能性があります。
3つ目は縫製のゆるみです。縫製のゆるみがある、1部羽毛が飛び出している箇所がある場合は要注意です。洗濯の刺激で中身がどんどん飛び出してしまい、最悪の場合洗濯機が故障してしまいます。

以上の3つを確認してからコインランドリーを利用すれば、羽毛製品の軽くて暖かい特徴を甦らせることができます。

保管する際はしっかりと除湿をしましょう。

まとめ

天然繊維は人の肌に優しく、見た目にも高級感がある素材です。
しかし、洗い方や保管の方法が限られていて、扱いが難しい部分もありましたね。

大切な衣料品を長持ちさせるためにも、適切な方法で管理して清潔に保ちましょう。

SHAREシェアする

ブログ一覧

〒990-0021
山形県山形市小白川町3-7-31

© 2023 Laundry